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2001年からブリュッセル在住の、日仏カップル。日・仏・白の話題を織り混ぜた、とりとめのない日記です。


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在外、または元在外の友人達へ
震災、津波、原発事故と、どこかの無防備な小国だったら、どれかひとつでも起きたら数年は立ち直れなさそうな三重苦が日本に降り掛かって2週間が過ぎました。長いながい2週間でした。

在外邦人の中には、直接被災した身内はなくても心配になり、日本にいる家族に西や国外へ避難するように勧めた方も多いと思います。私もその一人です。

私たちには被災された方々やそのご家族のような切迫した苦難はないまでも、だからこそあまり声高にできない葛藤がありました。最悪の事態に備えずあくまでも普通の生活を続けようとする日本の家族に相対し、国内と国外の報道の温度差や、価値観の違いからくる衝突や苦悩があり、同じような境遇同士で連絡をとり支え合いました。2週間経ったいまも日本のニュースを逐一追い続け、不安、無力感、焦燥感を抱え、心晴れない毎日を送り、辛そうな様子で連絡して来る人が後を絶ちません。

この記事の後半で書くのは、あくまでもそうした一部の方々と共有したい私なりの答えです。15日に第2号機の爆発音が確認された辺りでの政府と東電の対応に呆れてしまい、その日は多忙でニュースがほとんど見れずにいて、そのとき頭にある材料で少し考えてみた事柄です。

チャットや通話だとどうしても思いをまとめて伝えるのが難しく、断片的になりがちなので、最近一人の友人に宛てたメールに少し手を加えた文章(なので出だしが唐突)ですが、一度ここに書いておこうと思います。文字の色を変えてある部分です。
日本が日本でなくなってしまうんじゃないか、という危機感、よくわかります。

でも私は、意外と日本は「本来の姿に戻る」ような気もしているんです。
「誰も責任を取らない。集団でしか動けない、一人じゃ何も出来ない」
そういう日本人の側面を、これまで批判的にとらえて来たんですけど、ああそうだ、これは災害の多い日本だから自然とこうなったんだ、と当たり前のことに気づき、逆を言うとこういう国民性でないと、あの土地では生きて行けないんだ、と。

人災である原発でさえも、水道から放射性物質が出ていても、そういう国にいて、ここが自分の国なのだから、とまるで天災であるかのように、ポジティブでもネガティブでもない「仕方ない」で全てをひっくるめて引き受けている人たち。
その根底にある「みんなで渡れば怖くない」精神は端から見ると狂気的なんですけど、でもそれが本来の日本であり、日本人なんだろうなと。あの土地に根を下ろしていないと理解しがたい精神。

実際は、環境破壊の進む今の地球に暮らしている以上、誰でもどの国にいても環境ホルモンだとか、何かしらの危機にさらされている訳で、地球上にいる限り逃れられない危機なら、喜んでという訳ではないけど受け入れるしかない。差し当たりある程度ことの進行を遅らせる為に、自分に出来るエコなことをコツコツやるしかない、という気持ちは、私らでも理解できますよね。
日本に残ることを選択している人たちは、それを国土規模で考えているみたい。

私らはたまたま、国外生活という選択肢があるし、もともと外にいるから「わざわざあんな怖いところで生活続けなくても…」と考えてしまいますが、彼らにとって、会社も地域共同体も家庭も「家」と同義で、それらのあるところが彼らの居場所なんでしょう。
それを全て捨てて、外に逃げれば済むと考えるなんて、それこそ無責任で狂気的と思う人さえいるのでしょう。

言霊信仰のなごりで、最悪のことを口に出したら現実になるとどこかで思っているのか、「事実、第一原発からは放射性物質が漏れている」ってツイッターで発言した人が「無神経」と非難されてしまう状況。
最悪を考えるから最悪から免れるチャンスがあるのに、そういう合理的判断はないみたい。
「冷静に」を連呼する、かえって冷静じゃない人たち。

私はやっぱり非合理という見方を変えることはできないし、呆れてしまうし、同意できないけど、メタな見方をすればその非合理性も含めて、災害の集まる土地日本で生き抜くための合理性なのだろうな、とは考えられます。

16世紀の日本を訪れた外国人の手記に、大きな地震が起きて数時間後には、日本人は家を建て直す作業を始める、と驚嘆の記載があるそうです。
それと繋がるんですが、前から読みたいと思っていた本で『逝きし世の面影』という、江戸末期から明治初期の日本の庶民の生活を外国人の目で切り取ったものがあります。
レビューを見ていただくとなんとなく内容が分かると思いますが、最近の日本を見ていて、ああ日本は少しこの輝いていた時代の価値観に回帰して行くのかな、と思います。まだ読んでないんですけどね。

こういうのを見ると自分の親なんかは間違いなく日本人だし、多少危険があろうと非合理であろうと、それが彼らにとって一番アイデンティティが安定するし、生きやすいのだろうなと思うので、もう避難するかどうかとか、どういう心持ちで日常を過ごすかは、彼ら自身の判断に任せることにしたのです(もちろんこちらへ来たいと言えば歓迎しますが)。
そう思い至ってからは、わりとスッキリしています。

日本は今後長いことストレスの多い生活だろうし、いろいろ好ましくない面もでてくるとは思うんですが、国民が完全に欧米化してなくて良かった、と思える部分も確かにあります。今はそれを頼りに、はがゆくても遠くから日本の今後を見守って行くしかないなと思っています。


勝手な自己完結でしかなく、色んな立場や角度から見ると賛否あるとは思いますが、私も眠れぬ夜が続き体調を崩しそうになって、実はいま妊娠中なのでこれはマズいと思い、どうしたら自分が少しでも平穏な気持ちでいられるか考えた結果です。

拙文が今でもどんよりした気持ちでいる人の心の整理に、少しでも役に立ちますように。
(それでも、もしこの内容に気を悪くされる方がいらしたら、申し訳ありません。なにとぞスルーしていただけますよう)

なお勝手ながら今回はコメント欄を伏せさせていただいていますが、ここ以外の経路で私と繋がっていて直接メッセージいただける方は、遠慮なくご連絡くださいね。
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2011/03/26(土) | ちょっとマジメに | トラックバック(-) | コメント(-)
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