Bxlog

2001年からブリュッセル在住の、日仏カップル。日・仏・白の話題を織り混ぜた、とりとめのない日記です。


スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)
能楽鑑賞
先週、能舞台の鑑賞に行きました。せっかくなので、着物で。冷房のない国で夏に着物はやっぱり辛かったので、着物の着易い気候になってきて嬉しいこの頃です。

後姿がうまく撮れませんでしたが、劇場で座席に寄りかかれるよう、帯は貝の口にしました。

先日手作りした帯締めは、ホントはこの着物と帯にあわせようと思っていたんですが、半襟が決まらず、悩んだ挙句に白いエンボスの半襟に、2色使いの桃色の帯締めにしておきました。結び目以降、左右に違う色が出るタイプです(なんて呼ぶんだっけ?)
こちらは帰ってきてからの写真です。コサージュがずれちゃった。
DSCF1788.jpgDSCF1789.jpg


ニコラは2度目の能鑑賞でしたが、1度目はビギナー向けでガイドつきの短いものだったので、今回は能一幕プラス狂言一幕(と、最後に舞もありました)のみとはいえ、通して観たのは初めて。意外に面白がってくれていました。

能はリアリティを追求する舞台ではなく、極限にまで縮小された表現の中でどれだけのことを伝えるかが重要なものであること、囃子方との呼吸の大切さや、面でほとんど見えない状態で計算しつくされた動きをいかに無駄なく舞うかの難しさ、などは一応改めて説明してあったのですが、ニコラは声の出し方や一つ一つの動きにまで注目して、やけに感嘆していました。言葉がまったく分からないだけに、かえって観るところをちゃんと観ているようでした。観客が積極的に理解しようとしないと、つまらなくなってしまいがちな能ですから、彼は結構いい観客なのだと思います。

演目は世阿弥の「恋の重荷」。これは古曲「綾の鼓」のラストをハッピーエンドにしたものとして、よく比較されます。三島由紀夫が現代風にアレンジして書いたのは「綾の鼓」の方で、私は最後までドロドロな「綾の鼓」の方が現実的な気がして好きです。

女御に恋した庭師の老人の物語。女御は「恋の重荷」を持ち上げることができたら、一目顔を見せると告げます。老人は綺麗な包みを喜んで持ち上げようとするものの、実はその包みの中身は石なので、持ち上げることができないまま、力尽きて死んでしまいます。後半、老人の死を知り悔やむ女御の前に老人の亡霊が現れます。亡霊は色々恨み事を言いますが、自分の死を弔ってくれるなら女御の守り神となる、と言いのこして去ります。

14世紀に確立された能の典型的な筋書きには、よく生き別れの親子とか、人の姿に化けた妖怪とか、観客は正体を知っているけど登場人物は知らない、という状況が出てきます。その真実や正体が明らかになり、後半で一騒ぎあるのがお決まりです。こういう筋書きは受けがよく、長く演じ継がれる普遍的なものであることを、観阿弥・世阿弥はよく分かっていたのです。18世紀フランスの劇作家マリヴォーがこの手法を好んで使い大当たりしたけれど、日本ではとっくの昔に確立されたシナリオのテクニックであったと、能楽が誇る点でもあります。「恋の重荷」では、亡霊となって出てくる老人ではなく、実は石である「重荷」がその役目。

ミニマリズムが好きなヨーロッパでは、能はもっと受けてもいいと思うのですが、一幕がちょっと長いのかな。狂言は分かりやすいので、みんな笑っていました。

久々の能楽鑑賞、楽しかったです。

banner_04.gif <- 人気ブログランキング。励ましのクリック、よろしくね。
スポンサーサイト
コメント
≪この記事へのコメント≫
ydrさん!着物姿のお写真、初めて拝見させていただきました。とっても素敵です~♪

実は私も能舞台を見に行く予定で楽しみにしていたのですが、事情があり当日泣く泣くキャンセル・・・残念でした。

能や狂言は、以前日本で数回舞台を観ただけの浅学ですが、古典芸能にはとても心惹かれるものがあります。
今度機会がありましたらご一緒したいですね。
2005/11/15(火) 15:36:43 | URL | ルギア #YYhS6EVE[ 編集]   
> ルギアさん
ありがとうございます(^^
サイズが大きくて着辛い一枚なんですが、無理して着て行きました(笑)

能キャンセルされたんですか~残念でしたね。
梅若研能会って、ほぼ毎年ヨーロッパ公演してますから、
来年は一緒に行けるといいですね。
2005/11/15(火) 15:43:43 | URL | ydr #L.iXitw2[ 編集]   
お能
在ベルギー邦人で、行かれた方多かったみたいですね、
存在すら知らなかった(か、文化センターで聞いてても、忘れてたか)…
桜色の着物とてもよくお似合いです、すらりとしてて、立ち姿が決まってる!みちゆきも可愛い~
一枚くらい写真撮れ、と親に泣きつかれてもあっさり蹴ってきたけど、着物、いいなぁ、着てみてもよかったかしらん、とかとか見てて思いました。
2005/11/17(木) 09:01:41 | URL | Vio #TfcozL/I[ 編集]   
> Vioさん
みんなで着物、着ましょうよ。
私は3000~5000円台の洗えるものばかり買っています。
(道行は祖母のお下がりですが)
来年はまっつさんも仲間にしようと企んでいますので、是非ご参加ください。
2005/11/17(木) 09:19:14 | URL | ydr #L.iXitw2[ 編集]   
着物姿が素敵です。着物は何点か持ってきましたが着る機会をつくらずで余りきてません。でも皆で着物を着て集まるっていうのは魅力です。自分で帯締めを作るなんて素晴らしいです。それでは。
2005/11/17(木) 21:47:19 | URL | kj #-[ 編集]   
> kjさん
着物を持って来ている方、最近貴重だと思います。
せっかくですから着る機会が欲しいですよね。
着物で新年会や忘年会を毎年開けるようになったらいいなぁ・・・。
2005/11/18(金) 09:32:20 | URL | ydr #L.iXitw2[ 編集]   
良いアイディアですねえ。
もしそんな機会が出来たらお声をかけてください。
それじゃあ、良い週末を!
2005/11/18(金) 23:18:20 | URL | kj #-[ 編集]   
> kjさん
来年は、そんなことも実現できたらいいなと思います。
kjさんも、良い週末をお過ごしください。
2005/11/18(金) 23:22:40 | URL | ydr #L.iXitw2[ 編集]   
コメントを投稿する

普通のコメントの場合、なくてもOKです。
URL
コメント
パスワード
パスワードを設定しておくと、後から自分のコメントを編集・削除できます。
コメント非表示  管理者以外に読まれたくない場合にチェックをつけて下さい。
コメント非表示の際は、返信先としてメールアドレスかURLをご記入ください。
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://ydr.blog2.fc2.com/tb.php/577-d0f1a6e0
≪この記事へのトラックバック≫
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。